01
美しさに言葉はいらない
そう言うと思っていたよ
月が落ちるまで君のもの
気付かなくてもいいんだ

02
裏切らない嘘
そそらない嘘
尽くせない嘘
着慣れない嘘

03
うつぶせた口元
そばだてた目元
つまずいた足元
きめつけた手元

04
奪いっぱなしのバージン
素知らぬ振りが肝心
詰めの甘い理不尽
軋って逃げるエンジン

05
うろうろと綺麗な目
そわそわと細い指先
つらつらと淀まぬ声
きいきいと歌う椅子

06
占い一つ味気ない
底は抜け損ね
伝える意気も萎える
嫌い嫌いと泣き笑い

07
打って出ろその嘘一つで
狙撃しろその嘘一つで
突き付けろその嘘一つで
起爆しろその嘘一つで

08
羨んだのは君の肌
嫉んだのは君の舌
啄んだのは君の唇
刻んだのは君の心

09
生まれつき赤い
育ってしまう間違い
慎めないもう一回
気取るだけの無害

10
上着のポケットに一粒
ソースへ落とす一滴
ツインルームで一夜
昨日のアルバムの一枚


11
上澄みを掬うような
袖を引き合うような
釣糸を垂れるような
傷口を舐めるような

12
打ち明けてよ、うわごとでいい
唆してよ、そらごとでいい
繋いでよ、つくりごとでいい
聞かせてよ、きれいごとでいい

13
憂さ晴らしの噂話
添え物の邪魔者
使い回しの言い回し
切り売りの義理

14
浮かばれない言葉を繰って
そつのない笑みを作って
罪もない腹を括って
君がすくってくれなくっても




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